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株式会社エクスポージャー・ラボは、温帯地域における海岸部での屋外曝露試験を専門とする会社です。

TEL. 0479-35-1190

〒288-0042 千葉県銚子市末広町8-12

技術情報

1)海塩区分について
2)屋外曝露試験の重要性について
3)促進試験と屋外曝露試験の相関について
4) 海塩粒子付着量の測定について
5) 大気の腐食性の分類について

海塩区分について

 JIS Z 2381(大気暴露試験方法通則)によれば、海岸線からの距離によって、次の五つに区分しています。
a) 海上
b) 海浜 海岸線から300m以内の地域(飛来する海塩粒子の影響が最も厳しい地域)。
c) 沿岸 海岸線から300mを超えて2km以内の地域(飛来する海塩粒子の影響が比較的大     きい地域、ただし、南西諸島の島は、海岸線から2kmを超えても、すべてこの区     分に入れる)。
d) 準沿岸 海岸線から2kmを超えて20km以内の地域(飛来する海塩粒子の影響が比較的      小さい地域)。
e) 内陸 海岸線から20kmを超えた地域(飛来する海塩粒子の影響が無視できる地域)。
 ただし、実際の飛来塩分量は海岸線の形状や風向、海抜高さ、気象条件などに行っても影響され、内陸部でも塩害の発生する場合もあります。また、雨水による洗浄効果の有無によっても海塩付着量は異なってきます。

屋外曝露試験の重要性について

 製品または材料を屋外で使用する際の耐久性を調べる試験方法には実際の環境に曝露する屋外曝露試験と、実験室内で行う促進耐候性試験あるいは腐食促進試験があります。最も実情に近い結果を得られる試験は屋外曝露試験ですが、時間がかかり製品開発の速度に合わないということから実験室で行う促進試験が多く使用されています。しかし、この促進試験の結果が実際の環境で何年分の結果を表しているかを表すのは非常に難しく、また、実際の状況を再現しているとは必ずしも言えないのが実情です。このため屋外曝露試験の結果無しでは促進試験との相関性や有効性も判断できません。時間はかかりますが実際の環境で曝露した結果は最も信頼できる結果であり促進試験の基礎データとしても非常に重要です。

促進試験と屋外曝露試験の相関について

 促進試験で行った結果が実際の環境で何年分の結果に相当するのか?これはこの試験に関しての最も大きな課題と言えます。その難しさの理由の一つとして実験室内で行う一定環境での試験結果が実際の時々刻々変動する環境での結果を十分再現しているとは必ずしも言えないこと、さらに、促進試験で起こる反応が屋外で起こる反応と全く同じとは言えないということもその原因と言われています。しかし、このような問題はあるとしても現実的には製品開発に長い時間をかけられないことから促進試験の問題点は把握しつつもその結果から屋外での耐久性を評価せざるを得ない場合があります。この場合、促進試験の結果が屋外の何年に相当するかということを推定する方法としては、過去に行われた類似の製品の実験結果を参考にしたり、主要な劣化因子の負荷量を屋外でのそれと同じにするということから、この試験で何時間の結果は屋外で何年に相当するだろうと判断しています。しかし、この判断の妥当性はあくまでも同じ材質での結果であること、同じ反応機構であることを前提にしていますのでそうでない場合は全く違う判断をしてしまう可能性も否定できません。

海塩粒子付着量の測定について

 海岸部で使用される製品等の耐久性向上のためには付着する塩分量がどの程度なのかを知ることが重要です。この塩分付着量を推定する方法としては、JIS Z 2382(大気環境の腐食性を評価するための環境汚染因子の測定)に規定するウエットキャンドル法やドライガーゼ法があります。ウエットキャンドル法は一定の湿り気を帯びたガーゼを、ドライガーゼ法は乾燥したガーゼを一定期間雨がかりの無い状態で曝露しガーゼに付着した塩分を大気中に含まれる塩分として測定します。いずれも間接的に製品等に付着する塩分量を推定する方法です。これとは違い直接的に製品等に付着する塩分量を推定する方法としては、実際に曝露した金属板等の表面を拭取る方法があります。しかし、この方法も雨がかりの状況によって結果が異なり、また、いずれの方法でも付着した塩分が脱落することも考えられるため、製品等に付着する塩分の絶対的な値を測定しているわけではありません。
 また、捕集した塩分の分析方法としては、前述の規格では滴定法、吸光光度法などを規定しています。また、曝露現場で実施可能な簡易的な方法としては検知管方式と言われる方法もあります。詳しくは規格や下記ホームページをご参照下さい。
 弊社の海岸曝露場での海塩付着量については環境データのページをご参照ください。

http://www.komyokk.co.jp/kweb/contents_1.do?bunrui1=0005&regdate=20061128120020&je=0

大気の腐食性の分類について

 製品が使用される場所の腐食環境の厳しさを示す指標の一つとしてISO 9223-92 Corrosion of metals and alloys - Corrosivity of atomospheres - Classification(大気の腐食性の分類)があります。この規格では(1)ぬれ時間、SO2汚染量、海塩付着量の3つの腐食因子のレベルによる分類と、(2)標準金属の1年曝露の腐食度による分類とを組み合わせ、曝露場所の腐食性を分類します。表1に海塩付着量の分類を、表2に炭素鋼の1年曝露の腐食度の分類を示しました

表1 海塩付着量の分類

 記号  Cl- r/u・d
( )内はNaClに換算
 S0  ≦3
(5)
 S1  >3〜5
(5〜99) 
 S2  >60〜300
(99〜495)
 S3  >300〜1500
(495〜2473)


表2 炭素鋼の1年曝露の腐食度

記号   g/u・y μm/y 
 C1  ≦10 ≦1.3
 C2   >10〜200  >1.3〜25 
 C3  >200〜400  >25〜50
 C4   >400〜650  >50〜80 
 C5   >650〜1500  >80〜200